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うなぎでワインが飲めますか?
田崎真也さんの書かれている本はどれも分かりやすく親しみやすい文体で書かれているのが印象的ですが、
その中でもこの「うなぎでワインが飲めますか?」はワインを身近に感じたい人にはぴったりの一冊。
初版は2006年とのことですが、今読んでも全然色あせない内容です。
(それだけ日本のワイン文化がゆっくりしか進化してないということは微妙なのかもしれませんけども)
余談ですが…
女性の年を聞きたかったら、年齢をダイレクトに聞くと失礼だけど
「君のバースデーヴィンテージは?」と聞くといいそう…(笑)
などの小咄も織り交ぜられつつ軽快で読みやすい内容。
気になる内容は?
世界の料理とワインの合わせ方、典型的なザ・和食とワイン(蕎麦、うなぎ、松茸、ふぐ、天婦羅)など、実践的で参考になる内容が多かったです。
松茸とワイン
この前、松茸のお椀に合うワインって何だろう?と思った機会があったのがそもそもこの本を手に取るきっかけとなったのですが、ここに一つの回答例があって個人的にはツボでした。
基本的には、白。
揚げた松茸→ムルソー
焼き松茸→熟成感の強いクリュッグやボランジェ、ルイ•ロデレールなど。
赤ワインに合わせたいなら、松茸のすき焼きが◎。
リオハの10年以上熟成させたものなど。またはイタリアのバローロやバルバレスコ、キャンティクラシコのリゼルヴァやブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ブルゴーニュのコート・ド・ニュイなど。
キーワードは熟成♡
そろそろ松茸が出てくる時期、ワインと楽しむ参考にいかがでしょうか。
そこを踏まえると例にはないけど同じ産地合わせでいったら日本のピノはどうなんだろう?なんて考えながら読むのもまた楽しい。
刺さることば
また、
「ワイン好きに上級者も中級者も初級者もないのです。そもそもワインを飲むのに入門者とか初心者などという言葉が使われるのは、自称上級者たちがいるからではないでしょうか。言い換えると彼ら自称上級者たちの話や行動によって、今まで多くの人たちがワインを飲むことに、ある種の嫌悪感を抱いていたとも言えるのではないでしょうか」という段落が刺さりました。
ワインって知れば知るほど難しく複雑に考えてしまうようになって、でも、ある一定のところまでいくと今度はおおらかに捉えられるようになって、そしてまた、自分の知識のなさを思い知る段階が来て、と波のように繰り返して知識が深まっていくものなんじゃないかと思うのです。
こっちは厳し目の一冊
一方で、ワインの表現に対して気付きを与えてくれるのは「言葉にして伝える技術 ソムリエの表現力(祥伝社)。」ついつい平易な言葉で「飲みやすい」などと表現してしまいやすいワインの例えをバッサリ斬ってくれる一冊。
内容は対照的ですが、やっぱり(お会いしたこともありませんが)田崎さんって凄い方なんだなあ…と思う2册。