
年間13000本も試飲して、よく覚えられますよね?!
(管理人注)年間13000本ものワインを試飲する伊藤さん。記憶力の悪い管理人からすると別世界のお方…ですがいったいどうやってその量をこなし、分類し、アウトプットできるところまで持っていけるのか?
今回は膨大な量を飲むソムリエがどうやってワインを記録してくのか?ということを伊藤さんに掘り下げて書いて頂きました。
試飲方法・ワインの選び方
私(伊藤)は日々、仕入れのために、沢山の試飲展示会に出かけております。一年間で話しますと、1月・8月・12月は試飲会の開催がほとんどなく、大抵は平日の午後ですので、年間200日くらいが実質活動できる日数です。おかげさまで2013年は168箇所で13050回を利くことが出来ました。御提供頂いた関係者様にここで御礼申し上げたいと思います。
1日に数百本試飲することも
ときには一日で4〜5箇所もあり、移動も含めて数時間で数百回ということもあります。短時間で早くこなすにはどうしたらよいのでしょうか。直近の実例を挙げてお話して参ります。
この7月8日に3箇所ほど試飲会に出かけてきました。昼12時くらいからのスタートで最後の試飲が終わったのが17時すぎ。それから店に戻って営業でした。
ワイン1本の試飲にかける時間はトータルでも20秒以下
実質会場に居たのが30分・2時間半・30分の3時間半くらいで98・493・49の計640で、ワイン1種類あたり19.7秒です。これは、利くワインを自分で注ぐか注いで貰い利いて吐き出すまで、の時間です。会場が混雑していることも多々あり、注がれるまでの待ち時間もかなりあります。ワインを飲み込んで吐き出すまでは、数秒というところでしょう。
なので、色を見て香りを見て味わってという通常のテイスティングは出来ません。観るのは「味わい」だけです。冒頭で述べたように「仕入れ」の為に試飲ですから、表現は後回しです。
この価格なら納得して飲んで貰えるか?品質に見合った「対価が認められるか?」と、「傑出した品質か?」です。これにクリアしたワインだけ香りや色を見たり、コメントの記録を取ります。
そして他のスタッフとも協議して、良いと思うものは直ぐ試しに仕入れです。何せ1本単位で買えて数日もあれば手許に届きますから…世界中のワインがこれだけ簡単に手に入れられるのは、東京ならではかと思います。輸入元・物流業者さんに感謝ですね。
暗号のようなメモ!
(管理人注 ちなみに、どんなメモを取っておられるのですか?)
スコアでワインのレベルが、記号やコメントと読むと味のスタイルが思い出せるような記録方式になっています
試飲会はあくまでもきっかけ
さてさて厳しい選別をくぐり抜けてワインは弊店にやって来るのですが、実はここからが正念場です。改めてスタッフと利いて、似たような銘柄が弊店に置いてあれば、その銘柄との競合ですし、馴染みのお客様にグラスで提案して飲んで頂き洗礼を受けます。
こうした数々の関所?を通ることの出来た世界各国産の銘柄だけが、弊店にオンリストされております。あとはスタッフがお伺いしてお好みを、料理などの状況に応じてオススメして、最適の一杯一本をお見立て致します。どうぞお召し上がりになってみて下さい。
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