
前回お話ししたアルコールが高めのワインとお料理のマリアージュ、試していただけたでしょうか? いかがでしたか?
タンニンと料理
今回は、タンニンがしっかりしたワインと、どのようなお料理が合うかについて説明しましょう。
タンニンを多く含むのは赤ワインです。それは、赤ワインは、ブドウのタンニンを含む皮や種を一緒にして造るからです。白ワインでも木の樽に入れて寝かして造ったものには、わずかですがタンニンを感じることがあります。
タンニンって?と思う方もいるかもしれません。渋い柿を食べた時に、口の中に残る感覚がタンニンです。それは味と言うよりは触感です。収れんと言う感覚、、、舌の表面にあるブツブツした突起が引きしまります。そして渋みを感じます。
タンニンの多いワインに、オリーブオイルをふんだんに使った一品を合わせたら、さっきのあの引きしまった舌の感覚が消えます。引きしまった舌の上に張り付いていたタンニンをぬぐいさってくれるのです。オイリーなお料理は、タンニンがしっかりしたワインにぴったり。
逆に考えてもいいわけです。オイリーすぎるお料理で口の中が煩わしかったら、そこにタンニンの強いワインを添えてあげてください。
タンニンがしっかりしたイタリアワインの代表は、バローロやバルバレスコ、キャンティー、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。知名度は劣りますが、ウンブリア州のサグランティーノは、タンニンの強さでは、上のどのワインにも負けません。
でも、長く寝かしておいた、つまり古いビンテージのワインだと、同じワインでもタンニンをそれほど感じません。と言うのは、寝かしおいた間に、タンニンは他の成分と化合してしまったからなのです。
イタリアではピエモンテ州の人は、一般的にタンニンがしっかりしたワインを好みます。やはり、タンニンに溢れたバローロやバルバレスコを飲みなれているからなのでしょう。
タンニンと料理
オイリーなイタリア料理の代表は、バーニャカウダ! 地元の人はタンニンが売り物のドルチェットを合わせます! でも、アクの強いお野菜は避けたほうがいいです。タンニンは、アクの成分の一つですから、逆効果になってしまいます。ちょっと多めにオリーブオイルをかけたイタリアの郷土料理のお豆のズッパにも合います。
前回書いたように、アルコールの多いワインを飲むと、口の中が渇きます。タンニンの強いワインも、口の中が渇きます。ですから、オイリーなお料理でなくても、ジューシーなお料理とでも、なかなかいいマリアージュになります。オイリーな和食は数が限られていると思うので、オイリーさが売り物の中華料理に合わせるのも面白いですね。
タンニンの強いワインに、脂っぽいお料理を合わせる方をみかけます。正直、私はお勧めしません。今まで私がお話ししたのは、油っぽいお料理。要はオイルが特徴です。脂っぽいお料理は、脂肪が特徴です。例えば、ラルドや、脂身の多いポークを食べると口の中がねっとりします。そこにタンニンの強いワインを飲んだら、そのねっとりした貼りつくような感触は取り除かれません。
試していただけたら光栄です! では又、次回をお楽しみに。