
北海道にあるTAKIZAWA WINERY(タキザワワイナリー)に行ってきました。空知エリアのワイナリー、何軒か回りましたが1番印象が強かったのがこちらなんです。
小さなギャラリーのように素敵な建物が。
社長の人柄も素敵だし、ワインもとても興味深い出会いがありました。
ガラスごしに醸造風景の見学もが出来ます。(仕込み中は邪魔な菌が入らないよう一般人は中には入れないそうです)
この日は、旅路という葡萄を仕込んでいたそうです。
540円で3杯頂ける試飲セットも。
畑を見せて頂きました。そうそう、北海道の葡萄畑は雪対策で斜めに植えられています。
道内は割とどこに行っても葡萄の樹が斜めなんだなあ〜と確認するのもちょっと楽しい。
覚えていると今後ワイナリーに行かれる際に面白いかもしれません。
『これはソーヴィニヨンブラン。』
『この葉っぱの穴はコガネムシ。ギザギザなのはバッタに食べられてたところ。』
などと丁寧に教えて頂いて。草を生やしておくのも自然の一部。害虫はクモやてんとう虫が食べてくれて、自然に成り立つように作っている。どちらも残して葡萄とともに共存させるというのが滝沢社長の方針だそう。
言葉にするのが難しいのですが、なんだかほっとする畑なんです。
綺麗な空気と土地で元気に育っている葡萄の力に癒されるのでしょうか…。
『黒いダイヤ』とも呼ばれるほど栽培が難しく貴重なピノノワール。
勝沼などで見るピノの実と比べるとどこか小降りで、凝縮感があるように思います。
1本1本の樹の個性も把握されているという滝沢社長はすごく暖かい方で。
日本のワインのいいところって沢山ありますが、その中でも私は『現地に行って母国語でコミュニーケーションが取れて造り手の想いに触れてファンになることができる』ということだと思うんですネ。
せっかくこんなに狭い国土の中に住んでいるのですから、全国にあるワイナリーに行ってみようと思って月1くらいで
あちこち訪問しています。ワインを造られている方って『熱い情熱に溢れた方』方が多いと感じるのですが、滝沢社長の場合は『優しさ』を強く感じるお人柄でした。
ワインもね、酸味がしっかりしているのだけどどこか暖かみがあって柔らかいんです。
後日ワイン会に持参したら、酸味のしっかりしたミュラートュルガウが女性陣から大人気でした。
男性からは酸っぱいという意見もありましたが、女性からは数あるワインの中でも【これが1番好き!】との声多し。
奥に感じる優しさが女性から受けるのかもしれないなあ、と思った次第でした。
そうそう。こちらのワイナリーで面白かったのは、抜栓後1日目から4日目の味の違いをブラインドで出された時に
『4日目の方が美味しい!』と思ったことと、同じワインだと分からなかったこと(!)
普通なら1日、2日と酸化して味が劣化していくのに、逆に美味しくなっているように感じるのです。
後日伺った余市のドメーヌ・タカヒコさんで聞いたお話とも通じる体験をしました。
自然に任せて作っているワインは
『樽の中で空気に触れることに慣れて育っている』から抜栓してからの『酸化』が劣化になりにくいという話題が出まして。
何でしょう…ステンレスの樽で機械的に管理されて清潔すぎる環境で育った『もやしっ子』と『野生児』の違いとでもいいましょうか。難しいことはさておいて、抜栓して飲みきれなかったとしても翌日、翌々日のたのしめるというよりさらに美味しくなるかもしれない期待感のあるワインって、なんだかとってもお得感があります(笑)。
それにしても…北海道のワイナリーって、景色が本州と違っていて圧倒されます。
切り取ったシーンがそのまま絵はがきに使えそうな美しさ。
景観の素晴らしさも北海道のワイナリーの魅力だなと思うのです。