- ココだけの話, ためになるワインの話, 上岡 史奈
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寿司とワイン
体で覚えるために、どんな料理でも無理矢理にでもワインを合わせてみちゃう生活をしています。
お寿司屋さんでもワイン、邪道と言われようが日本酒には負けると言われようが、
「私が新しい鉄板マリアージュを発見するんだ!」という勢いで試し続けています。
ふとその過程で思ったことが1つ。
寿司屋のワインリストはなぜ変なのか
その1「寿司屋のワインリストはなぜへんてこりんなのが多いのか」
その2「なぜ銀座の寿司屋はケンゾーエステートのワインを置くのか」
その1は、そもそも「ワインを飲む客は邪道だけど、要望があるから置く。ワインなんか合うと思ってないけど、売れるやつを置く。」っていう予想でほぼほぼ合ってると思います。中にはワインが大好きという大将もいらっしゃるけど、そういうお店は割合としてはかなり低いですよね。
その2は、銀座(やら港区やら)の客単価20000円〜くらいのお寿司やさんは、ケンゾーエステートが置いてある割合がやたら高い。(カウンターの奥に瓶が並んでいるから目に止まるんですよね)
置いてないお店の方が少ない気がするくらいで、「なんでケンゾーエステートのワインが(ほぼ)必ず置いてあるんだろう」
っていつも疑問だったのです。
今日はこれを掘り下げてみます。
なぜ銀座の寿司屋はケンゾーエステートを置くのか
(ソムリエノートの読者の方に今更ケンゾーエステートの説明は不要かもしれませんが、一応補足しておくとカプコンの辻本憲三会長がやられているワイナリーで、並々ならぬこだわりを持って造られており美味しく、その品質は世界に通じる人気となっています。当然のことながら値段もお高く、本数も少ないのでレアで人気のあるワインです。)
もちろん、名前が知れてる、レア感があって売れやすい、というのはあると思うんですけど
果たしてお寿司の味と合うのか?!
お店の方に聞いてみたところ、「日本人がオーナーの会社であるせいか、あまり味が主張しすぎずお寿司に合うんです。」
とのこと。せっかくそうおっしゃるからりんどうとあさつゆのハーフボトルがあったから合わせてみました。
あさつゆ×お寿司
理論的なことは無視で、お任せで出てきたものとワインを開けたタイミングのみの組み合わせです。
あわびとあさつゆ×
穴子とあさつゆ×
予想外に意外と合わなくてそれはそれで面白かったのですが、
ホタテの小柱+出汁醤油+海苔に「あさつゆ」(ソーヴィニヨンブラン)は合いました。
海苔って日本固有の食材だけれど、ソーヴィニヨンブランのミネラル感と合うのかも、と思いましたが。
でも、あさつゆってこんなに薄い感じだったかな?と思ったら2013年ヴィンテージ。
2012と比較するとけっこう違うなあと思ったり。
りんどう×お寿司
りんどうとお寿司は合うと思った組み合わせがこの日はありませんでした。あくまでりんどうを主役に試したので
理論的にどうというのは無視してください。
煮切り醤油の塗ってある鯵とりんどう×
こはだとりんどう×
トロとりんどう×
うにとりんどう×
ケンゾーエステートさんのワイン自体、毎年かなり味が変わるから一概に寿司と合う、合わないとも言えないのですが個人的な感想としてはそんなに合うとは思えず、、、でした(もちろん、お店によっても変わると思いますしあくまで1個人の感想ですのでぜひ、皆さんも試されて感想を教えて頂きたいです)。
ケンゾーエステートのワインが銀座の寿司屋にある理由
その後も何軒か取材を重ねたところ、
■ケンゾーエステートのワインは、取り扱いたいと思っても取り扱えない。
■ケンゾーエステートさんの方から、扱うにふさわしいと思われるお店に連絡してくる。
■月の取り扱い本数も決まっていて、あまり入荷がない。
(■あとは、同伴客やお金持ちのワイン好きな方にはもちろんウケがいい)
ということが判明。ううーん、さすがとうならされるようなプロモーション上手っ!!お値段がお高くてまさに「高値の花」のイメージだけど、確かにあさつゆちゃん美味しいもんね。
個人的にはずっと「なんで銀座の高級寿司屋には必ずあさつゆがいるんだ!」ってここ2年くらい疑問だったので、すっごくスッキリしました。
寿司とワインについてのマンガがあったので買ってみたのですが、英語の勉強にもなるし面白かったです。
とくにリースリングとの合わせ方や、醤油を一切つけないでドイツワインと楽しむ方法など勉強になりました。
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