- ためになるワインの話, 宅間綾子
- 牡蠣に合わせてワインを飲もう,だって春だから はコメントを受け付けていません

春といえば牡蠣
厳しい寒さの続く冬が終わり、ようやく春がやってきますね。春の便りがくると私は「そうだ、牡蠣を食べに行こう」と思うのです。
え?冬が終わったら牡蠣のシーズンも終わりでしょう?と思われた方、いいえ、実は牡蠣のシーズンはまさにこれから。産卵のため栄養をたっぷり蓄えている3月から5月にかけてが一番牡蠣の美味しいシーズンなのですよ!
牡蠣が食べたい!できるならお財布に優しいところで、気兼ねなく牡蠣を食べて美味しいワインを飲みたい!ということで、今回は銀座に去年オープンしたばかりの、Trinity Oyster(トリニティオイスター)さんにお邪魔してきました。
Trinity Oyster(トリニティオイスター)
なんと、17:00~18:30の間は、ハッピーオイスターアワーで、牡蠣がどれでも1個250円なんです。
こちらのお店はワインの品揃えがとてもよく、2千円代のカヴァからヴィンテージボルドーまで、ワイン好きを虜にする素晴らしいラインナップです。
牡蠣に合うワイン
この日は牡蠣に合うワインをソムリエの入江さんにご紹介いただきました。
まずはお任せで半ダース、牡蠣を注文。
身がしっかり詰まっていて美味しそうな牡蠣ですよね。
牡蠣ってプリプリ感があるかどうかで味への期待感が全く変わる気がします。
最初のワインは、ジャンジャン ロデ ソーヴィニヨンブランが選ばれました。
第一印象は「日本酒」のようなワイン。きりっと爽やかな飲み心地で、ミネラルが豊富、ソーヴィニヨンブラン独特の青草の香りはほとんどなく、生き生きとした酸が特徴でした。
第一印象が日本酒でしたので、もちろん牡蠣にピッタリ合います。
このワイン合わせる牡蠣は福岡県糸島産の「みるくかき」。
「みるく」と名前がつきますが、クリーミーな牡蠣ではなく、ミネラル豊富で塩の旨味が特徴的な牡蠣です。ミネラル豊富なワインと相性抜群です。
次にいただいたワインはオーストラリア、ヤラ・ヴァレーのジャムシード リースリング&ゲヴュルツトラミネール。
リースリングとゲヴュルツのブレンドと聞いて、アロマティックなワインを想像していたのですが、フローラルアロマというよりは、柑橘系の香りに多少スモーキーな香りも。味わいは果実味がぎゅっと凝縮していて、絞りたてのレモンや青リンゴの味わい。聞いてみると樽で発酵させ無濾過で瓶詰したワインだそうです。
さて、牡蠣にリースリングとゲヴュルツのブレンドが果たして合うのでしょうか?
かきえもんは小ぶりでさっぱりとした牡蠣です。獲れる時期も非常に短く生産量も少ない稀少品。さっぱりとした中に感じられるフルーティな味わいが特徴ですが、さてワインと合わせてみると、、、?
これが、意外や意外。良く合いました。
牡蠣のフルーティな味わいをワインが邪魔せず、レモンや青リンゴのニュアンスが牡蠣によく合っています。
続いてのワインは、同じくオーストラリアのワインで珍しいクィーンズランド産のシロメィ ピノグリ。
外観はほのかなピンク色。香りは白桃にレモングラスなどのハーブのニュアンス、そして味わいはまろやかでコクがあり余韻も長い、一言で表すと辛口優等生ワイン。
これは牡蠣に合わないはずがありません。
牡蠣は兵庫県室津産の津田宇(つだう)という比較的大ぶりの牡蠣を合わせてみました。津田宇は身がつまっていて濃い味が特徴です。食べごたえのある牡蠣なので、今回合わせるピノグリのようにコクがあり、酸が太いタイプのワインがぴったり合いました。
海外産ワインと海外産牡蠣
最後のワインはこちら。
ラベルも可愛らしいムロン・ド・ブルゴーニュ 「ジュテーム・メ ジェ・ソワフ」。
牡蠣との相性◎のロワールのミュスカデです。「ジュテーム・メ ジェ・ソワフ」は直訳すると「愛してるけど、喉が渇いたわ」の意味だそうです。
本日初めての海外産牡蠣です。国産の牡蠣を食べてから海外産の牡蠣を食べると、なるほど味わいが違います。独特の風味と塩気が感じられ、また違った味わいを楽しめます。
勿論、ミュスカデとの相性もばっちり。フルーティで清々しい酸味が牡蠣の旨味をさらに引き立てます。「愛してるけど、もう一つ牡蠣が食べたいの」という気分です。
牡蠣とワインのペアリングを中心にご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
牡蠣のシーズンはまさにこれから!美味しいワインと牡蠣を探しに街へ繰り出しましょう。