- ためになるワインの話, 神原 美穂, 英語編
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「良質なワインとは」の続きと、「あまり好ましくないワインとは」です -神原美穂-
「良質なワインとは」(1,バランス、2,余韻、3,深み、4,複雑さ)
④複雑さ①
単純でシンプルなワインは、飲んで楽しければそれ自体に何の問題もありません②。しかし、いつも新鮮な味と今までとは違った印象を与えてくれるワインは、複雑さを持ったワインと考えられ、また一般的には、そうしたワインは質が高いと考えられています。複雑さをもったワインとは、アロマとフレーヴァーが複雑に絡み合っているワインと考える専門家③もいますが、一方で複雑さとは、ワインが飲み手に与えるトータルな印象だと考える専門家もいます。
あまり好ましくない④ワインとは
20年前と比べて、今日では「好ましくないワイン」は、極めて少なくなっています。そうしたワインは、製造プロセスに原因があるわけではなく、ボトルの取り扱いや、保存方法に大きな原因があります。好ましくないワインの例をいくつか上げます。
①酸化したワイン⑤
コルクが緩んで酸素がボトル内に入ってしまったり、何らかの理由で高温に長時間さらされた⑥ことなどにより、ワインから果実味などの新鮮な風味が失われてしまったワインです。瓶詰めされる段階では良質なワインだった可能性がありますが、酸化したワインは平面的で弱々しい味がするものです。
②コルク臭のするワイン⑧
ワインのコルク栓は自然の状態で使用されるのではなく、殺菌消毒されて使用されます。なかには殺菌消毒が不十分で、悪性の菌がコルク内に残存してしまうケースもあります。その菌が何らかの原因でボトル内のワインに化学変化をもたらし、湿ったダンボール⑨のような不快な匂いを発生させます⑩。その不快な匂いは、コルクを抜いてからワインが空気に触れて時間が経てば経つほど強くなります。
今日、スクリューキャップがかなり導入されていますが、その背景にはコルクがもつ弱点が考えられます。
それでも、コルクが今でも主流なのはソムリエナイフなどを使い、抜栓するプロセスもワインを味わう一部だと考えられているからです。
最後までお読み頂きありがとうございます。
では次回をお楽しみに☆
単語帳
①complexity(名詞)複雑さ
②there is nothing wrong with~ ~には何の問題もない
③wine expert /wine connoisseur ワインの専門家
④undesirable(形容詞)好ましくない
⑤oxidized wine酸化したワイン
CF; oxidize(動詞)酸化する izeは他動詞をつくる接尾辞
⑥be exposed to~ ~にさらされる
⑦corky wine コルク臭のするワイン (仏)bouchonee
⑧damp cardboard 湿った段ボール CF; damp(形容詞)湿った、じめじめした
⑨disagreeable(形容詞)嫌な、不愉快な
⑩give out~ ~を発生させる
CF; give out disagreeable order 不快な臭いを発生させる
odor(名詞)不快な臭い