ワインのおともに観る映画:Netflix「マリッジ・ストーリー」

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Netflixにて現在独占配信中の映画「マリッジ・ストーリー」をご紹介いたします。

こちらは、昨年おこなわれました東京国際映画祭でも上映されており、今年のゴールデン・グローブ賞では最多6部門に、アカデミー賞では主要6部門(作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞、作曲賞、脚本賞)にそれぞれノミネートされています。

まさに、2020年の映画賞レースを代表する作品です。

ニューヨークに住む、将来を期待されている新進気鋭の舞台監督(アダム・ドライバー)と、TV女優から夫の劇団へと転向した女優の妻(スカーレット・ヨハンソン)、そして2人の間には、8歳になる息子が一人います。

映画の冒頭、離婚を決意した二人がセラピストの部屋にいるシーンから始まりますが、性格の合わない2人は、ここでも喧嘩になってしまいます。この映画で描かれているのは離婚への過程。離婚劇にありがちなドラマティックさや派手さは一切ありません。しかし、それがかえってあまりにもリアルに感じられるのです。

映画のふたりに限らず、どんな夫婦の場合にも適合する「離婚」手続きに関するフローの一例を描いたような素っ気なささえ感じるかもしれません。

しかし、一見この映画が単に離婚へのプロセスだけを描いていると思えますが、じつは、映画を通して常に描かれているのは、10年間の結婚生活の中で自然と育まれてきたどの家庭にもある、あ・うんの呼吸的な夫婦のチームワーク。そして、最後にそれは頂点に達します。このラストシーンには、心を打たれました!!

この映画に対して、’未婚者は結婚への希望を失い、既婚者は結婚に絶望する’、という怖い噂もありましたが、私の見終えての感想は、その意見とは反対でそういったことは思いませんでした。(ほっ。) 映画の感想とは、観る側の主観によるものが大きいのですが、この映画の根底に流れている温かいものが、結果、人々の心に残る作品となったのだと思います。

この映画のなかで、妻が夫に離婚の手続きを始めるといういわゆる宣戦布告的なシーンがあるのですが、実家に集結している彼女とその母と姉が緊張のあまりキッチンをうろうろしながらも、手に持っている赤ワインが進んでしまう、というほほえましいシーンがあります。

気づいたらボトルが空になっていて、3人で離婚のことを話し込みながらも、母の手は次のワインを開けているという姿。

本来なら、緊張が高まるシーンのはずですが、ワインという役者のおかげで、なんともコミカルに描かれています!

 

*Netflix映画「マリッジ・ストーリー」独占配信中*https://www.netflix.com/jp/title/80223779

 

 

この記事の著者

加東亜希子

加東亜希子

●食空間プロデューサー。日本ソムリエ協会ワインエキスパート。サーブルドール騎士団オフィシエ・サブラー。コマンドリー・ド・ボルドー。
自身のライフスタイルセンスを生かし、女性誌公式ブログも執筆。共著「ワイン女子 101 人」

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