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ブリーとミモレットとワインの検証の続き
ミモレットほど人気で、万能なチーズもありません。
泡でも白でも赤でも、日本酒にもシングルモルトにもパスティスにもグラッパにも相手をしてくれる酒の友。
ミモレットを不味くしてしまうNG行動
ただ気を付けて頂きたい事があります。どこかでチーズの盛り合わせを注文すると、しばしば薄くカットされたミモレットを見かけられるかと思います。
これは、ダメです。ミモレットに限らずコンテ等もですが、ほとんどのハード系のチーズ は薄切りにしてしまっては美味しくありません。まず食感が悪く、せっかくのチーズの風味が際立ちません。
ちょっと大きめに、切るのではなく荒く砕くようにすると香りが良いです。特に熟成期間が長い高品質なハード系チーズほどカットの仕方は重要です。
ミモレットとワイン
シャンパーニュに合わせてみると両方の個性はそのまま、あまりお互いを干渉しないような無難な感じです。
いわゆる“つまみ”としては良いのでしょうが、つまらないです。
ピノ・グリージョやグリューナー、ピノ・ネーロも同じような印象です。
白ワインならば2007ヴィンテージくらいの程よく酸化熟成が進み、フルーツ感と樽香が馴染んだシャルドネあたりが面白いです。かすかに日本酒の老香(ひねが)を感じるような。
よくカラスミに例えられるミモレットの香りの部分にマッチします。
では、グルナッシュは?
合わなくはないのですが、まとまり感がありません。
メルロは普通に美味しい。
でも、普通です。
そこに感銘は受けません。
前フリ?が長くなりましたが、私のオススメは・・・
・・・
管理人上岡さんに投稿を先んじられてしまったオレンジワインです!(笑)
サッカー日本代表の長谷部キャプテンのように、人気でユーティリティーなミモレット。
オレンジ色のチーズにオレンジワインを合わせるという、シンプルな発想を試してみました。
合わせたのは私が愛してやまないオーストリーの生産者、セップ・ムスタ―のエアデというワインです。
(Erde=ドイツ語で地球・大地の意)
ガラス瓶ではなく珍しい陶器のボトル。ソーヴィニョン・ブランを主体にモリヨン(=シャルドネ)のブレンドですが、ブドウ品種の特徴よりもタンニンや不思議とビターオレンジのような鮮烈な風味を感じます。
噛みしめられるようなピュアで濃いエキスで、名前の通り壮大で滋味あふれるワインです。
期待以上の絶妙なアッビナメントになりました。ほのかなミモレットの苦みとオレンジ様の風味、それぞれに上品ながらも強い個性が上手くまとまり、気持ち良いです。ややボディの強いエアデが驚くほど滑らかに体に入ってきます。
生産量が少ないワインですので入手が難しいかもしれませんが、ぜひ試して頂きたいです。
もちろん、熟成期間の長い風味豊かなミモレットと!
今回の記事に使った検証ワイン
シャンパーニュ
Fleury / Brut Nature – Fleur de l’Europe N.V.
フルーリー/ブリュット・ナチュール フルール・ド・リョロップ ノンヴィンテージ
白ワイン
Vignai da Duline / Colli Orientali del Friuli – Pinot Grigio Ronco Pitotti 2012
ヴィニャイ・ダ・ドゥリネ/コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ ピノ・グリージョ ロンコ・ピトッティ 2012年
Peter Malberg / Kreutles Grüner Veltliner 2012
ペーター・マルベルク/クロイトレス グリューナー・ヴェルトリーナー 2012年
赤ワイン
Le Due Terre / Colli Orientali del Friuli – Pinot Nero 2008
レ・ドゥエ・テッレ/コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ ピノ・ネーロ 2008年
Château de Rouanne / Côtes du Rhône 2012
シャトー・ド・ルアンヌ/コート・デュ・ローヌ 2012年
Château La Tour Figeac / l’Esquisse de La Tour Figeac 2008
シャトー・ラ・トゥール・フィジャック/エスキス・ド・ラ・トゥール・フィジャック 2008年
<番外>
ブリー・ド・ムランに合わせて
Domaine Sylvain Dussort / Bougogne Blanc Cuvée des Ormes 2011
ドメーヌ・シルヴァン・デュソー/ブルゴーニュ・ブラン キュヴェ・デ・ゾルム 2011年
ミモレットに合わせて
Sepp Muster / Erde 2010
セップ・ムスタ―/エアデ 2010年