【中国ワインって美味しいの?】

Made in Chinaときくと、どんな印象を持ちますか。

「安物」「粗悪」といった負のイメージがつきまとい、スーパーの食品売り場等でも、中国産ときいただけで買わない人も少なくないのではないでしょうか。かくいう私もその一人。比較的先入観なく各国の珍味やワインを試すワリには、中国ワインを試す機会はこれまで巡ってきませんでした。「機会は造るもの」を信条としている私が、あえて自ら機会を造らなかったのが中国ワインともいえます。実際中国におけるワイン事情についてもほとんど無知で、「急速に経済発展して財力を得た富裕層が、高級ワイン(特に赤ワイン)を買い漁っている」という貧弱なイメージしか持っていませんでした。

そんな折、中国ワインのイメージを覆す機会が訪れました。
11/1-11/2に開催されたVINEXPO東京でブース出展していたのが、中国・山西省の家族経営ワイナリー、グレース・ヴィンヤード。ブースの賑わい方からも、中国ワインへの注目度の高さが見て取れました。
同社のCEO、Judy Chanさんを囲んでのランチ会にお邪魔させてもらったので、その様子と中国ワインについてご紹介したいと思います。

グレース・ヴィンヤードが創設されたのは1997年。中国におけるワイナリーの数もまだ150程度と少なかった頃です。今では2000ワイナリーに迫る勢いで急成長している中国ですが、グレース・ヴィンヤードはその中でもトップクラスの品質を誇り、中国ワイン市場を牽引する存在といえるでしょう。

広大な大地をもつ中国の食文化は北は麺食、南は米食、さらにはアジアやロシアの血が混じる地域もあり、ひとくくりに分類することは難しくワイン産地も多種多様ですが、とりわけ勢いのあるワイン生産地のひとつが山西省。
山西省の近隣には臨夏回族自治州(リンシャ地区)、内陸部のウィグル自治区と葡萄の産地が続きます。山西省は降雨量450ml、昼夜の寒暖差が大きくブドウ栽培に適した土地といわれますが、更に内陸部の臨夏回族自治州北部は降雨量が150mlを切る乾燥地帯で、自根ブドウ(接木していないブドウの木)も多いそう。乾燥した土地で太陽を浴び、糖度をぐっと増したフルーツは凝縮感があってすこぶる美味とのこと。実際に訪れて一粒試してみたいものです。
photo1
*美人すぎるCEO、Judy Chan氏。ボルドーのメドック・マラソンにも出場経験アリという行動的な女性。

Judyは2002年にワイナリーを受け継ぐ前まで、投資銀行で勤務していたというキャリア・ウーマン。実際に会ってみるとパワフルかつチャーミングで、様々な表情を見せる魅力的な女性でした。2012年アジア飲料業界で最も影響力のある女性と選ばれたのも納得の吸引力。しかも2人のお子さんがいるというのだから、驚きです。

photo2

*1番最初ビジネスクラスに搭載されたDeep Blue(初搭載ヴィンテージは06年)。

キャセイ・パシフィック航空のファースト、ビジネスクラスにも搭載される等、存在感を増しているグレース・ヴィンヤードですが、中国製品の負のイメージの影響で苦労した過去も。ワイナリーの評価が上がってきた矢先にメラミン混入粉ミルク事件が起こり、「中国のワインなど置けない」と突っぱねられたというエピソードも飛び出しました。「我々はミルクを作っているのではない、ワインをつくっている」と返し、2008年後半に初めて採用されることに。毅然としたJudyさんの言葉に、品質の高さを追求するプロの誇りを垣間みた気がしました。
photo3

当日は赤坂GOGYOの阿部シェフによるデザート含めた4皿に、グレース・ヴィンヤードのワインをマッチング。
明石の天然真鯛の真薯と国産松茸のスープには、やや青っぽさの残る爽やかなロゼ09年(写真中央)を合わせました。出汁との相性が良く、杯が進んでついついお代わり。

セサミオイル仕立てのカキと松の実のキタッラには娘の名前を冠したターシャ・リザーブのシャルドネ09年(写真右)を。熟した果実味に上品な樽のニュアンスが、もちもちのキタッラとの相性も抜群。

私の一番好みだったのが、最後にサーヴィングされた同社最高峰のチェアマンズ・リザーヴの赤ワイン09年(写真左)。
「ワインが中国最高品質のものであることを保証する」という意味を込めてつくられたこのワインは、カベルネ主体といえど強すぎることなくエレガントさが漂います。軽やかでバランスがよい印象でした。

photo4 *チェアマンズ・リザーヴ09年に合わせたのは、スターアニスでスパイスをきかせたマグレカナール鴨の薫製。

photo5
その他7種類ほど試飲させてもらいましたが、個人的には赤の方が好み。醤油を使ったお料理とも相性が良さそうと感じました。
とりわけ印象に残ったワインはシャンパーニュ製法で造られたシャルドネ100%のスパークリング・ワイン。Judyのアイディアによるラベルの右上にはスワロフスキーの人造ダイヤが輝いており、キラキラと綺麗。まだ熟成途中で2016年にリリース予定との事ですが、ナッツのような香ばしいニュアンスにトロピカルフルーツのような果実味を感じ、既に美味しい。リリースが楽しみです。

photo6 *次女の名前を冠したスパークリング・ワイン「GRACE VINEYARD Sparkling ANGELINA」。瓶内36ケ月熟成。リリースは初年度3,000本を予定。
今まで中華料理を食べにいっても、ワインの品揃えやマッチングがイマイチで、結局紹興酒に落ち着いてしまうことも多い私。高品質な中国ワインが気軽に飲めるようになれば、食の楽しみは更に広がるでしょう。「その土地の食には土地の酒を」というマリアージュの大原則を「中華+ワイン」に当てはめられる時がくるのももうすぐかもしれません。

photo7*同ワイナリーセールスマネージャーChi Frederick氏と。

この記事を書いた人

青山 葉月
青山 葉月
 雛祭り&マダム・ルロワと同じ3月3日生まれ。鎌倉出身。
麻布十番にあるシャンパン・バー、tiQuoi(チクワ)でソムリエールをしています。
 
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青山 葉月

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 雛祭り&マダム・ルロワと同じ3月3日生まれ。鎌倉出身。
麻布十番にあるシャンパン・バー、tiQuoi(チクワ)でソムリエールをしています。
 

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