オーストラリアのワイン産地 マッジー

2週間ほど前に、マッジーというワイン産地へ行ってきました。マッジー(Mudgee)は、シドニーから車で約4時間の内陸にある、ニューサウスウェールズ州のワイン産地です。シドニーから近いワイン産地と言えばハンター・ヴァレーが有名ですが、このマッジーでも、実に素晴らしいワインがたくさん作られています。
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シドニーから金曜日のラッシュアワーの渋滞の高速道路を抜けて西へ、
ブルーマウンテン
まずは世界遺産のブルー・マウンテンへ。そこから更に3時間、実に長いドライブです。
道中2
牛や馬、羊にアルパカなどがゆったりと草を食んでいるのを横目に見ながら。行っても行ってもひたすらに延々と続く山や牧草地に、オーストラリアって本当に広い国なんだなぁと実感します。
羊

■マッジーの町

マッジーの教会
そんな長いドライブを経てようやくたどり着いたマッジー。他の多くのオーストラリアの町のように、マッジーもかつては金鉱で栄えた町です。同じニューサウスウェールズ州のワイン産地でも、ワイン・ツーリズムが発展しているハンター・ヴァレーとはずいぶん対照的な雰囲気だな、というのが第一印象でした。近代的なセラードアや大きなリゾートホテルなどが点在するハンター・ヴァレーに対して、マッジーは、古い教会や時計塔、昔ながらの郵便局、ホテル(パブ)など、歴史を感じさせる建物がたくさん残されていて、オーストラリアの古き良き田舎町、といった感じです。

そこに暮らす人々は朗らかで優しく、旅行者を歓迎するムードが漂っています。ハンター・ヴァレーよりもシドニーからの物理的な距離が遠く、個々の生産者の規模も小さいということもあるのでしょうか。ワインの他にもチーズやオリーブオイルといった農産物も多く作られており、毎週土曜日教会の前で開かれるファーマーズ・マーケットは、地元の家族連れや観光客で賑わうの憩いの場となっています。

そしてここだけ時間の進み方がゆっくりしているかのような、そんなマッジーを象徴するのが世界大戦の記念碑として建てられた時計塔。街の中心地に佇み、まさにこの町を象徴するかのように、ゆっくりと時を刻んでいます。

■ワイン作り

ヴィンヤード

南半球のオーストラリアですので、2月半ばは晩夏、収穫の時期でした。まだ収穫前の黒ブドウが木に残っていました。マッジーには現在52ほどのワイナリーがあり、ワイン作りは1858年から始まりました。他の多くのオーストラリアのワイン地域がそうであったように、最初は酒精強化ワイン作りから始まったそうです。現在は約8割をシラーズとカベルネ・ソーヴィニョンが占めており、赤ワインを中心のワイン作りが行われています。白品種ではシャルドネが最も多く、ちなみにシャルドネをオーストラリアで初めて作ったのがマッジーです。
セラードア
また、最近はイタリア系品種の栽培も盛んで、樹齢30年を超えるサンジョヴェーゼ、バルベラ、ネッビオーロも存在しており、こういったイタリア品種に力を入れているワイナリーもあります。

同じ州内にあるとはいえハンター・ヴァレーとマッジーでは、気候も大きく異なり、収穫は毎年ハンターヴァレーよりも4週間も遅いとのこと。ただ単に気候が涼しいと言う訳ではなく、夜の気温が低い事、春の霜で発芽が遅くなることからくるものです。日中は暑く、昼夜の温度差が激しい大陸性気候が、そこで育つ果実の味を凝縮させ、深みを与えてくれます。湿気と雨の多いハンターに比べるとマッジーはかなり乾燥しており、日照時間も長く灌漑はほとんどの畑で欠かせないそうです。雨が少ない事も関連があるのか、オーガニック農法も盛んです。
カベルネ

■オーストラリア最古のワインバー

Roth's Wine Bar
街角にしっくりと馴染んでいるのは1923年創業のRoth’s Wine Bar。ここはオーストラリア国内でも最も古いのワインバーの1つ、なんだそうです。自社ワインも作っていてそれをハウス・ワインとしている他、マッジーと近隣の産地オレンジのワインを数多く揃えてあり、実にオンリストされている約8割が地元のワイン。歴史のあるワインバーではありますが、料理はとてもモダンですし週末の夜は屋外のスペースでライブが行われるなど、古き良き伝統に流行を取り入れ、うまく融合しているようでした。

長くなりましたので、次回はマッジーのワイナリーをいくつかご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

フロスト結子
フロスト結子
日本でワイン関連商社で貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。国内大手オークション会社GraysOnlineワイン部門にてアカウント・マネージャー(既存顧客管理)として勤務する傍ら、フリーランスとしても日本語メディアへの執筆、ワイン関連の翻訳、市場調査など、日本語とワインの知識を活かし、精力的に活動中。
WSET® Diploma in Wine & Spirits所持
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フロスト結子

フロスト結子

日本でワイン関連商社で貿易業務に携わった後、2009年オーストラリア人の夫との結婚を機にシドニーへ移住。国内大手オークション会社GraysOnlineワイン部門にてアカウント・マネージャー(既存顧客管理)として勤務する傍ら、フリーランスとしても日本語メディアへの執筆、ワイン関連の翻訳、市場調査など、日本語とワインの知識を活かし、精力的に活動中。
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