お客様と選ぶワイン@たるたる

前回も皆様から沢山の「いいね!」「シェア」をして頂きどうも有り難うございます。
これまでワインをどう選び並べているかをお話させて頂きました。

幅広い味わいのワインの中からお好みやその場に合ったものを、弊店ではお客様と一緒に選んでいくのですが、お互い上手く伝わらない伝えられないこともあります。

飲食店側が考える、お客様が最適な一本に辿り着く為のやり取りの一部を今回はお話してみたいと思います。

そもそも、ソムリエの仕事って?

お客様の好みを伺う上で一番理想は、具体的な銘柄、品種、もしくは最近飲んで好き嫌いだったワイン…等ですが、それを覚えてきて店員におっしゃってくださいというのは酷というものです。
ぱっとは出てこないワインの好み。そこを対話の中で探るのがソムリエの仕事であるとも言えます。

レストランでのワイン選び

かけつけ1杯
お客様が来店されて席につきます。その日の1軒目1杯目であれば、細かな説明不要。
とにかく早くお出しする事ですよね。ワインには限りません。
ビール(弊店ではハートランド)かスパークリング(例えばスペイン産カバ)か冷たい白(例えばチリ産ソーヴィニヨン・ブラン)でしょうか。

ひと口ふた口飲んで、一息ついたところで料理を注文。
さてここからが事実上の1杯目です。

白ワインの絞り込み

お次はどうしましょうか?
まず白ワインを飲むとします。
ワイン名や生産地、ぶどう品種などの御希望がある場合、そこから更に細かく展開して決めていくことができますが、特にないときは私は果実味と酸味についてお話しをしてワインを絞り込んでいきます。

酸味と果実味

酸味と果実味。

どちらから切り出していくかは、1杯目からの流れ次第なのですが、普通は果実味からお伺いしています。

果物のニュアンスが少ない辛口か、花や果物の風味豊かなフルーティータイプか?
この中間もありますね。フルーティータイプな場合、具体的な花や果物、薔薇とかマンゴーとかライム等々、例えられるものを挙げていくと対話が進みます。

辛口タイプの場合は、「すっきり」「さっぱり」「キリっと」等々、形容詞で会話することが多いような感じがします。

次は酸味です。ワインには普通、おおまかに二種類の酸が含まれていて、レモンのような鋭い酸と、まろやかで時にはぼんやりとした酸があります。

ぶどうが育った環境(=生産地)によって二つの比率が変わって、冷涼な産地では概ね鋭い酸味に、温暖な産地では概ねまろやかな酸味となります。
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欧州では、地図で言うと仏国五角形の下から2/5位にある、ブルゴーニュ南部マコンのワインで丁度同等だそうで、ここより北緯度は酸鋭い目傾向に、より南緯度ではまろやか目傾向に、(現在の温暖化ではズレていると考えられますが)目安にしてみて下さい。

ワインの絞り込み

こちらもお客様が繰り出す言葉と面もちから、例え話を持ち出したりして落とし処を探していきます。
白ワイン
味わいのスタイルが決まったら最後に格(レベル)を、濃さとか旨味や余韻の長さ、味わいの複雑さといった部分です。

弊店で呼んでいる松竹梅、前回の繰り返しですが、梅(3~4千円)で十分、竹(5~6千円)で非日常、松(7~8千円)でメチャ旨、をお伺いして銘柄候補が決まり、最後のプレゼンをして承諾を頂戴したら開栓です。

どうも有り難うございます!

時には候補が複数で二択三択ということもあります。複数の場合はそれぞれの差や特徴をお話するのですが、最後は数文字のキーワードで選びやすく提示することにしております。

いかがでしたでしょうか?

赤ワインを選ぶ場合

今回は1本目で白を飲むという前提でのワイン選びでした。赤ならば味わいに「渋味」も加わって(赤なら渋味の度合いをまずお伺いします)、話もより有機的ですし、香りや熟成のニュアンスといった、ワインとして大事な構成部分についての話が加わってまいります。

しかしながら内容が増え変わったとしても、お客様にワインの話をする際に大事なのは、出来る限り「目の前のお客様の言葉」で語ること。

面白い表現も遊びの部分では良いですが、解りやすさが第一です。

お客様とのやり取りで肝心なことは、ただの御用聞きや、こちらからの押し付けになってはいけない事です。

またお客様が自身の希望を、悪い意味でなく、言葉で表現・伝えられているとも限りませんので、本意真意をくみ取れるよう洞察するのも必要でしょうか。

医者が患者を問診したり各種数値を観て、症状に応じて薬の種類・強弱を見立てるよう、弊店でもお客様にワインをきちんと「処方」できる存在でありたいと思っています。そうなれるよう、これからも日々の応接を通じ、技を磨き続けて参ります。

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