ワインコンサルタントという仕事

ワインコンサルタントってそもそもどんな仕事?

ワインコンサルタントと聞いてすぐにミシェル・ロランあたりの名前が浮かんだ方はかなりのワイン通だとお見受けします。要は生産者のオファーを受けて、売れるワインの造り方を指導する、ざっくりと言えばそんな仕事です。売れっ子になると北半球と南半球を行き来しワイン造りに携わることから、フライング・ワイン・メーカーと呼ばれたりもします。

日本におけるワインコンサルタントという仕事

とはいえ、今日お話しさせて頂くワインコンサルタントとは、それとは別のワインコンサルタントの話。
外食に出かけてワインリストを見てあれっ!?って思うことはないですか?
要はこのお店のお料理でこのワインは合わないよな~と思うような瞬間。
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具体的に言えば、上品な和食のお店でグラスワインが重厚なチリのカベルネ・ソーヴィニヨンだったりした時。別にチリのカベルネ・ソーヴィニヨンが悪いと言っているわけでは無く、そのお店の料理を本当に生かすワインなのかという事。

では何故こんな事が起こるのかご存じですか?

ソムリエがいないからと思った方、半分正解です。ソムリエ不在のお店なんて世の中に山ほどあります。

ではそういうお店はどうやってワインを仕入れるのでしょう。

それは取引のある酒屋さんにお任せする事になります。もちろんその酒屋さんがワインに明るければこういう問題は起こらないでしょうが、そうじゃ無い場合、こんなミスマッチなワインセレクトが起きてしまうんです。正直、勿体無いなって心底思うんですよ、せっかくの料理が台無しだなって。だったらプロとしてワインをセレクトする仕事があっても良いんじゃないか、お店のコンセプト、料理との相性、さらに独創性や希少性も考えてワインを選びお店に提案する、それがもう一つのワインコンサルタント、そう私の仕事です。

セオリーを超えたワイン選び

実際にワインをコンサルティングをする場合、単にワインを選べば良いという、そんな簡単な話ではありません。現状、オンリストされているワインについて、価格や生産地、味わい等を基に診断を行い、改善点を洗い出し、初めてワイン選びが始まります。

その際、バックヤードの広さやセラーの保管できる本数も考慮して、あまりストックが出来ない状態であれば、発注ロットの少ないインポーターのワインを中心に選んだりという、表に現れにくいけれど、商売をする上では決しておろそかに出来ない所にもワインコンサルタントは気を配ります。

とはいえ、どんなワインを選ぶかは重要な意味を持ちますし、ワインコンサルタントとして自分自身のスキルが大きく試される場でもあります。

ワインをどう選ぶか?

では実際にワインを選ぶ場合、フレンチだからフランスワイン、イタリアンだからイタリアワイン、和食だから日本ワインという考え方は正解ですか?私自身はこの考え方に否定的です。
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何故なら日本人のシェフが、日本の食材を使って、日本人の味覚にあったフランス料理にベストなのは、決してフランスワインとは限らないからです。カリフォルニアワインでも、ニュージーランドのワインでも、日本のワインでも、マリアージュを生み出す物があるはず、料理に対して経験やイマジネーションを駆使してワインを選ぶ、結果としてフランスワインを選んだとすれば、それはワインコンサルタントの仕事として正しい手法だと納得できます。

料理を生かすワイン

いわゆる定番や王道と言われる料理ならさほど頭を悩ます事はありませんが、日本には様々な料理を提供する飲食店があります。
中にはセオリー通りではワインを選べない料理も数多くある訳です。例えば私がたまに伺う創作懐石のお店には「フォワグラと里芋の大理石」というスペシャリテがあります。
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貴方ならこのお料理にどんなワインを選ばれますか?フォワグラだからゲヴェルツトラミネールかなと考えられた方が多いと思いますが、それはフレンチの枠組みの中でのセオリーから導き出した物ですよね。
ちなみに私がこの料理に合わせたのはフランスのタヴェル、つまり辛口のロゼです。脂のくどさを感じさせない上品に仕上げられたフォワグラと、ねっとりとした食感と優しい甘さを感じさせる里芋、フォワグラに目が行きがちですが、里芋の美味しさを引き出すワインは何だろう、そんな問いに対して私が出した結論はタヴェルだったんです。

実際にこの組み合わせを体験された多くの方達から絶賛の声を頂きました。

こうやって一つ一つワインを選び、料理を生かすワインをお店に提案させて頂くワインコンサルタントという仕事。まだまだ日本ではワインコンサルタントという職業はポピュラーな物ではありませんが、日本中のどのお店に入っても料理を生かすワインがある、そんな未来を夢見て、これからも微力ながらワインに関わっていけたらと思います。

この記事を書いた人

伊澤 成典
伊澤 成典
伊澤 成典
JSA認定 シニアワインアドバイザー&ソムリエ
日本ワインアカデミー 主任講師
ワインに幅広く携わってきた経験をベースに、楽しさ、素晴らしさをシンプルに伝え、ワイン単体の味わいだけでなく、料理と合わせることで生まれる感動を、より多くの皆様に体験して頂けたらと思います。
株式会社ヴェリテワインコンサルティング http://wineverite.jimdo.com/
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伊澤 成典

伊澤 成典

伊澤 成典
JSA認定 シニアワインアドバイザー&ソムリエ
日本ワインアカデミー 主任講師
ワインに幅広く携わってきた経験をベースに、楽しさ、素晴らしさをシンプルに伝え、ワイン単体の味わいだけでなく、料理と合わせることで生まれる感動を、より多くの皆様に体験して頂けたらと思います。
株式会社ヴェリテワインコンサルティング http://wineverite.jimdo.com/

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